12月1日(日)




 イベントの朝は、5時に目覚めることから始まります。ともかく本日は、 上越新幹線ときの初出発の日。そういうことでさっそくJR×岡駅からMAXに 乗り込み上京です。本日、いよいよ本コンテンツでその開発過程をずっと 紹介してきましたガレージキット、「破導獣ザンサイバー」、 販売デビューの日であります。

 ハリケンジャーもよく戦っている聖地さいたまスーパーアリーナの脇を MAXで抜け、やってきました上野駅。上野から浅草橋まで乗り換えも 含めてイッキ移動、浅草橋駅で、本日もご一緒させていただく蘭亭紅男 スーパー特殊映像監督と落ち合い、「いやHG−UCのスーパーガンダムも もー出てるはずなんですよね」「やっぱりジ・オですよジ・オ」 「HGストライク、なかなか店頭で見かけなくて…」と、 会場東京文具協和会館まで歩く3分間のガンプラ談義はもはや 毎回の礼儀というか恒例の儀式です。会場入り、スタッフの方々にも 日頃お世話になってますレッドデンジャー魔王様にも、今回もお隣になる やまぎし様とダイヤブロックのカリスマDB作人様(最近作、 「電撃ホビーマガジン」にも載ったイージスガンダム)にもご挨拶を済ませ、 いよいよやってまいりました「第15回クリエイターズ・カーニバル」!  新製品のあるイベント参加は妙に胸が高揚します。



やまぎし様のブースの無敵艦隊。空母はレゴブロック製。


 さて、今回新製品の発売にあたり、豪雪地帯酒店・第二事業部事業部長と しては不退転の決意で売り場に臨みます。価格設定は、原価などから計算して このぐらいでなければ元は取れないギリギリの所で4800円。 しかし今回は何よりお客様の目を振り向かせるのが大事。「イベント特価」 として、今回この場だけの価格3800円(!)でのご奉仕です。

 そして、もうひとつ不退転の決意として背水の陣を敷き…今回、 もし最低でもゲームソフト1本分程度の売上げがなかったら… 事業部長の座からの降格を自らに課しております!



 いよいよ開場。当然のことながら、開場と共に入ってこられる お客様の列は、まずは有名サークルさんのところに流れ込みます。 こうして目当ての買い物を早々に済ませた、目の肥えたお客様の列の 流れの中、いかにこちらの商品に目を向けてもらうかが 勝負どころであります。

新製品「戦闘マッスルシリーズ・破導獣ザンサイバー」

「戦闘マッスル」とは・・・
 ガレージキットの構成素材であるレジン樹脂。間接部分可動の ガレージキットにおいて、その成型によるパーツの重量を支え、 確実な可動と間接の強度を保持したのが弊社の開発した機構「戦闘マッスル」 です。既存のポリキャップを軸回転としてでなくまさに「筋肉の収縮」 として使用したことにより、従来の間接可動ガレージキットにない関節の 強度を確保することに成功しました。

 かなり調子こいて作った商品名および広告文(開場配布チラシ掲載) です。とにかく、まずお客様に商品名を覚えてもらうのが 大事と、今回かなりない頭を絞って、シンプルかつ力強そうで、 そしてひと言聞いて記憶に残るネーミングを目指したつもりでした。

…しかし、時折足を止めて見本を除いてくださるお客様もいてくれるし、 そういったお客様に自社チラシをお渡しして宣伝にも努めるのですが、 反応は極めて鈍いです。開場1時間、開場全体の客足も落ち着き、 会場を回るお客様の流れが緩やかになった時点において売上げゼロ…。
こういうイベントでの販売では何よりスタートダッシュが大事で、 お客様の財布に余裕があるうちにまず最初の1個を売り上げられるかどうかで 販売の流れは変わってきます。その最初の「つかみ」の時間帯を逃がした ことで、早くも内心暗雲が立ち込め始めるのですが…まあそれはそれとして せっかく上京して参加しているイベント、楽しまなければ来た意味が ありません。

 イベントも午後を迎え、やってまいりました、クリカニ名物イベントの 目玉…電動ファイトです!



戦場に集う電動ファイター軍団。
ヌーイー様の手前のマシンが今回の相棒、クラッシュギア・ガルダイーグル 電動ファイト仕様。


 電動ファイト(でんどうふぁいと)――
 己が技術力を込めた自慢の電動マシンを繰り出し、トーナメント形式で 1対1の戦いを勝ち抜き頂点を目指すルール無用のデスマッチ。 マシンのレギュレーションは無きに等しく、オーナーの発想とマシンの スペックが勝負を決める、敗者には死が待つ真剣勝負。

 今回、すでに参戦者の中にかの名前は確認済みです。 A.F.V研究所さん…ついにこの日が来ました。あの、 2年前の悔しさ、忘れはしません。

 2年前、やはり秋のクリカニでの電動ファイト。その時、 電動ファイト優勝者に送られる賞品はゾイドウルトラザウルスでした。 欲しかった…ウルトラザウルス。物欲に任せるままに自分は、その時の相棒、 リモコンミクロマン戦車とともに(事業記録Zファイル2参照) 立ち塞がるライバルたちを黄金の爪でことごとく蹴散らし、 手前味噌ながらついに決勝まで歩を進めたのでした。

 そして、その三つどもえとなった決勝戦でこちらのマシンの前に 立ち塞がったのが代表者の方の小っせえロボと、A.F.V研究所さんの タミヤ1/35改造ティーガーラジコン仕様だったのです。そして、 そのティーガーの出力の高さの前に、我がミクロマン戦車はあっさり リングの外に押し出されて敗北したのでした…。



ティーガー↑に潰される当時の相棒ミクロマン戦車 (イメージ映像)。


 うう…表彰式にて誇らしげに優勝賞品ウルトラザウルスを受け取る A.F.V研究所さん…。次は必ず勝つ! 自分が誓ったことはただひとつ、 リベンジと書いて復讐です!

 鬼山の喧嘩鬼せんせいの元に弟子入りしてケンカの極意を学び、 次戦のための新型マシン用ベースマシンをジャ×コの安売りコーナーで 税抜き999円で買って30分もかけて改造した2年間は、 今日この日のためにありました。机6枚を合わせて作ったバトル・フィールド に掲げられるマイマシーン、クラッシュギア・ガルダイーグル電動ファイト 仕様(事業記録Zファイル2参照)! A.F.V研究所さんが不参加だった ため、前回チャンピォンとなったヌーイー様も交え、ついに2年越しの 決戦の鐘は鳴り響きます。




やまぎし様のドラゴンダイガンダーや前回チャンピォン ・ヌーイー様を叩き伏せるティーガー2。


 初戦の相手の、ちょっとメーカー名が判らない車輪走行ロボを 車体の重量を乗せた一気ダッシュで蹴散らし、二回戦の相手のミツワ社製 リモコンタンク(改造により、電池7本で動く 極悪仕様)を フロントウェポンの威力で蹴散らし、いよいよ宿敵A.F.V研究所さんとの 決戦の時は来ました。今回のティーガーはティーガー2に パワーアップしています。しかし自分も2年前の自分ではありません。 辛く、苦しい特訓と30分もの時間をかけたマシンの改造と、 すべての成果はここで嵐となって吹き荒れるのです。

♪憎いあいつは電動ファイタ〜 ブルッと唸るぜ強い奴〜
♪逆巻くモーター怒りに燃えて〜 見てくれ兄貴俺は殺る〜





決戦の時を迎えるティーガー2とクラッシュギア。


 脳内に主題歌(作詞作曲自分)を響かせ、ついに戦闘開始です。 「電動ファイト、レディ・ゴー!」

優勝A.F.V研究所さん、 おめでとうございます(泣)。


 今回不参加だったプラコンの表彰式も終わり、パンフレット番号による スピードくじにて、運良く早々と番号が呼ばれたおかげで嬉しい景品も いただき(市価6千円相当)、今回のクリカニ閉幕です。
 今回もやまぎし様から沢山のいただき物を頂いたり、蘭亭カントクの 最新造形作品を見せていただいたり、魔王様から「スタートレック・ エンタープライズ」のビデオをダビングしていただいたり、 やまぎし様から魔導戦艦作れとハッパを掛けられたりと 楽しく過ごさせていただきました。今回もクリカニでお世話になった皆様、 大変ありがとうございました。



蘭亭カントク作、スーパーZZ。かっこええ(A)!!
(リンク「蘭亭戦闘メカ研究所」参照)


 そして運命の時、売上げ清算…。 いえ清算するまでもなかったんですけどね。

ゼロ円です。


 …見本を見てくださったり、実演でアクションポーズを取らせてみたり したときのお客様の反応は決して悪くなかったんですが、いかんせん この会場に集まるお客様のニーズをまたも読み違えてしまいました。
 いや、ニーズ以前にお客様の購買意欲を強力に促せるだけの造形を 成しえなかった自分の力不足ゆえの結果であります。そして結果がすべての 裁定を下し、

事業部長わたなべ、
営業不振により、 豪雪地帯酒店・第二事業部事業部長より第二事業部お留守番店員に降格――。


 帰りがけ、やまぎし様とお友達のたかぎあきら様、蘭亭カントクをも 巻き込んで秋葉原のラジオ会館でヤケクソで買い物ツアーです。 某クスにて、会場でお世話になった方ともバッタリ出会う微笑ましい 一幕もありましたが、ともかく海洋堂のゲッターロボとプライズ景品の アナザーアギトこと木野さんのジャンボサイズフィギュアも購入し、 上野駅にてやまぎし様とたかぎあきら様にお見送りいただき、 本日より運行開始の上越新幹線ときに乗り込んで、お留守番店員わたなべ、 上京顛末記、これにて幕でございます。

 仮面ライダー龍騎もよく戦っている聖地さいたまスーパーアリーナの 脇を抜けながら夕食代わりの駅弁を食し(鮭ちらし弁当頼んだのに、 袋を開けたらすきやき丼弁当が入ってた)、深々とこれまでの 本コンテンツにおけるガレキ開発過程と今日一日を振り返るのですが… いえ、これまでの開発期間のすべてが今日一日で 終わったわけではありません。今日は、イベント会場を借りた 新作ガレージキットお披露目の日です。とりあえず今後の指標として、 今日のための初期生産分完売を果たすまでは事業部長職への復帰はないと 自らに課し、これからのガレージキット販売に勤しんでいきます。

 最後に、開発を公開する過程にて、プロポーション面で厳しくチェック していただいたばかりかパッケージアートも描いてくださった 蘭亭カントクをはじめ、これまで本コンテンツを覗いてくださいました すべての皆様、改めてどうもありがとうございました。 今後も一日も早い事業部長復帰とともに、また皆様の御目にかなうような 新作をお見せできる模型作りを目指していきます。

 これからもどうぞよろしくお願いいたします。

                                    (平成14年12月3日記)




豪雪地帯酒店・第二事業部はものをつくりたいすべての人々を応援します。

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